世界最大の琥珀の産地、バルト海沿岸では紀元前7世紀頃から琥珀の交易が行われ、ローマ、エジプト、さらにはイスタンブールからシルクロードを経て中国はじめアジア各国へと伝わりました。バルト海沿岸から地中海や黒海、北アフリカに至る交易路は「アンバーロード」と呼ばれ、歴史を紐解く上でも重要な役割を果たしています。
エカテリーナ宮殿に存在した、その名の通り部屋全体が琥珀で彩られた琥珀の間。女帝エカテリーナⅡ世はこの部屋をことさら愛し、日本から漂流した大黒屋光太夫もこの部屋を訪れたと言われています。第二次世界大戦時に全ての装飾がナチス軍によって略奪され、当時ドイツ領であったカリーニングラードに運ばれましたが空爆によってすべて焼滅。その後長い時間をかけて復元され、2003年に初めて公式公開されました。
イギリスでは結婚10年目を「琥珀婚」と読んで琥珀を贈り合う習慣があります。琥珀はヨーロッパで「幸せを運び、愛を伝えるもの」と考えられており、かつては夫から妻へ贈られていました。しかし近年では互いに贈り合うのが一般的で、妻にはアクセサリー、夫にはカフスボタンなどがよく選ばれるそうです。何千万年もの時を経てできる琥珀には、日本の錫婚式と同じく「いつまでも続くように」という願いが込められているのでしょう。
ロシアカリーニングラード地方にある琥珀サナトリウムではロシア連邦政府より認定を受けた「琥珀治療」を行っています。この治療法は、さまざまな疾患に対して高い効果を上げております。